メディカルセミナーズ blog

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林炎子先生の「認知症の認識を知ろう」

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(写真:林もえこ先生)

みなさんこんにちは!

認知症介護歴28年の
看護師 林もえこです。


認知症の方に関わる時に
一番大事なのは
なんだと思いますか?

私は「怒らせないこと」
だと思っています。

怒ることで不穏にもなるし、
怒ってばっかりでは、
寿命も縮みます。

これは何も、へりくだって、
相手に合わせると
いうことではありません。

相手の認識を知り、
それに合わせることで
怒りや不穏が
減るという話です。

これは、病院でもそうですし、
介護施設でも同じです。

以前のメルマガでも
お伝えしたように
認知症になると、
内部認識と外部認識が
大幅に変わってしまいます。

なので、私たちから見ると
正当なことでも、
本人にとっては違っていたり、
逆に本人にとっては正当でも、
私たちからしたら、
「よくわからない行動・言動」として
出てきます。

一昨年の8月、
とっても暑い日でした。

職員から、

「Aさん、暑いと言って、
 窓を開けようとするんです」

「いくら、室内はクーラーが
 効いていると言っても
 窓を開けようとするんです」

と相談を受けました。

室内は
クーラーが効いているから、
窓を開けたら、無駄に熱くなると
職員が言っても
聞いてくれないと。

その上「窓を開けて、
風を入れないと」と言って
不穏になり始めたそうです。

ちょっとした物忘れが
ある位の認知症のAさん。

この場合、Aさんの認識って、
どうなっているかというと、
『風がないから暑い』なのです。

決して、体感温度を
基準にしているわけでは
ないのです。

いくら、冷えた室内にいても、
そこに風がなければ、
Aさんにとっては
「暑い」のです。

Aさんは、風の通る家で
暮らしてきたので、
余計そう思ったのでしょう。

いくら室内の温度が低くても、
本人の認識が全てです。

この場合、Aさんが
気持ち良く過ごせるのは
自然の風が抜ける場所で、
爽やかな風に吹かれること。

8月の猛暑の中、
それはちょっと難しいので
クーラーの効いた室内で、
扇風機の風に
あたっていただきました。

体感温度として、
涼しいからいいだろうではなく
本人がどう思っているかを考えて
提供してねと職員には話しました。

でも、認知症の人が
何を考えているのか
わからないと言われるかもしれません。

しかし、本人が
ちゃんと言っているのです。

「風がないから暑い」

何度もなんども、不穏になるくらい。

認知症の人が、
同じことを何度も言う、
そこに問題解決の
ヒントが隠れています。

何をして欲しいのか、わりと
言ってくれているのです。

ちょっとひねっている時も
ありますが(⌒-⌒; )

それがわかる私で
ありたいな~と思っています。

今回もお読みいただいて
ありがとうございました。


林 もえこ


◆ 林 炎子 (はやし もえこ)
プロフィール

看護師。1975年生まれ。

11歳のときに両親が民間福祉施設
(デイサービス・入居サービス)を開設後、
幼児、障碍児、障害者、高齢者、
認知症高齢者と生活を共にし、
28年間で70名以上の認知症の方の、
初期から寝たきりになるまで深く関わる。

また、看護師としても、
都立病院などで
10年以上の勤務を経験した後、
2011年 地域での認知症高齢者と
家族のサポートをするため、
心理学、ヒプノセラピー、
NLP、医療・看護など、
多くの学びから得た
エッセンスを活用しながら
認知症に特化した
デイサービスを開設。

28年間実践し続けてきた
独自の介護メソッドを分析し、
認知症とその家族のための
ケアを開発、提供している。

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