メディカルセミナーズ blog

高齢者看護&介護について、東京・大阪・愛知・福岡で看護師向けのセミナーを開催しているメディカルセミナーズです。褥瘡・胃瘻・認知症・フットケア・創傷管理・口腔ケア・ストーマなど各テーマのセミナーの情報や、参加者の感想などを紹介しています。

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林炎子先生の「認知症の認識を知ろう」

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(写真:林炎子先生)


みなさんこんにちは!

認知症介護歴28年の
看護師 林もえこです。


子供達の新学期も始まり、
なんだか沢山の書類を
書かされています。

書類に日付を入れるのですが、
あれ?今日は何月何日だっけ?
何曜日だっけ?って思います。

ちょっと忘れっぽく
なってますね(^^;;

これは時間の見当識が
なくなってきているのです。

見当識は、
時間だけではなく、
場所や人間関係の
見当識があります。

見当識とは
周りの状況などの
見当をつける働きです。

これは、認知機能の一部です。

認知機能はいろいろありますが、
そのうちの幾つかが障害されて
認知症となります。

では、認知機能とは他に、
何があるのでしょう。



■計算
足し算、引き算、掛け算、割り算など

■理解
物事の道理を悟り、知ること。
意味をのみこむこと

■判断
どうすべきか
自分の考えを決めること

■言語
言語の理解、適切な言葉の選択
会話の成立

■学習能力
新しいことを憶えたり、
応用したりする

■記憶
出来事などを憶えておく

この認知機能、
すなわち「認知」する機能が
障害されるから、
認識がおかしくなります。

認識と認知は深い関係にあり、
お互いに
影響しあっています。

前回の「認識が切れる」に、
この認知機能を
当てはめてみましょう。

例えば、足し算(計算)
足し算は
数字の意味と理解や、10進法、

足し算の概念などがあるから、
計算ができます。

1(いち)の意味がわからないと、
計算ができないわけです。

10になったら、
桁が上がるということを
覚えていないと、
足し算ができません。

他の計算も同じです。
引き算の概念が
わからないと、
引き算はできません。

適切な言葉の
選択(言語)で言えば

その場所がどこなのか、
何を話しているのか、
誰と話しているのか、
などが認識されないと、
適切な言葉は
選択できません。

認知する過程の中に
「認識する」が
いくつも
入っているんですね。

認知症になると
認識もできなくなり、
認知もできなくなる。

だから、
認知症患者さんの認識が
わかりにくいのは
当たり前なんです。

認識も認知も
おぼつかなかった
自分の小さい頃を思い出すと、
自分なりのロジックで
お母さんに話をしているのに、
わかってもらえなかった。

そんな思い出も
あるかもしれません。

それと同じです。

認知症患者さんも
自分なりのロジックで
話をしています。

そのロジックを理解する。

ロジックは理解できなくても、
「彼女なりのロジックで
 話をしているんだ」
ということを理解する。

そうすることで、
まずは理解しようという
第一歩が
踏み出せるのだと思います。

「相手の認識がよくわからない」
「認知症患者さんて大変」

から、

「なにが起こっているんだろう?」

という好奇心に変わると
認知症ケアは
ちょっぴり楽しく
なるかもしれません。


このような、
認知症看護・介護に役立つ小冊子を
無料プレゼントしております。
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林 もえこ



◆ 林 炎子 (はやし もえこ)
プロフィール

看護師。1975年生まれ。

11歳のときに両親が民間福祉施設
(デイサービス・入居サービス)を開設後、
幼児、障碍児、障害者、高齢者、
認知症高齢者と生活を共にし、
28年間で70名以上の認知症の方の、
初期から寝たきりになるまで深く関わる。

また、看護師としても、
都立病院などで
10年以上の勤務を経験した後、
2011年 地域での認知症高齢者と
家族のサポートをするため、
心理学、ヒプノセラピー、
NLP、医療・看護など、
多くの学びから得た
エッセンスを活用しながら
認知症に特化した
デイサービスを開設。

28年間実践し続けてきた
独自の介護メソッドを分析し、
認知症とその家族のための
ケアを開発、提供している。



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